地球上の岩石は、その成因によって「火成岩」、「堆積岩」、「変成岩」の3種類に大別される。火成岩(例えば安山岩、玄武岩etc.)は、マグマが冷えて固まった岩石である。熱を持つ地下深くでゆっくり冷えるか、火山の噴火により地上で急速に冷えるか、その冷え方の違いで結晶の成長状態が変わり多様な種類になる。
堆積岩は(例えば砂岩、石灰岩etc.)は、いろいろな起源をもつ粒子が地上や海中で堆積して固まったものである。砂岩は砂が堆積し、石灰岩は石灰質の殻を持つ生物(サンゴ、有孔虫等)死骸の堆積し、固まった岩石である。
そして変成岩(例えば片麻岩、大理石etc.)は、既にある岩石、すなわち岩石として形成された火成岩や堆積岩が、地殻変動により新たに高い熱や圧力を受けて編成した岩石である。この過程を我々は変成作用と呼ぶ。スリランカは国土の95%が変成岩により形成されており、地質学的にも非常に珍しい国である。スリランカは世界的な宝石の産地として有名だが、変成作用により原子が規則正しく配列し、結晶へ成長し宝石となる。ヒマラヤ山脈は、今から6,500万年前にインド亜大陸がアジア大陸と衝突して地殻が押し上げられ形成された。この地域の地殻変動運動の大きさは、容易に想像できる。
スリランカが美しい由来の大きな要素は、この大きな地殻の運動による圧力で生まれた変成岩だと思う。
しかし、人の心は岩石では無いので、圧力をかけても宝石のように美しいものは生まれない。生まれてくのは悲劇だけである。最近のニュースを見ていて、僕はスリランカの美しい変成岩を思い出し、そんなことを思ってしまった。